TOPへ

歯科用金属アレルギーについて

金属アレルギーで髪を失うという怖い実例!

2015年4月22日の日本テレビ「ザ!世界仰天ニュース」の“恐ろしいアレルギーSP”

金属アレルギーで、女性の頭髪がでほとんどの毛を失ってしまったMさんの話。

2010年頃、シャワーを浴びて洗髪すると、髪の毛が大量に抜け始めたのだそうです。近所の皮膚科の診断では円形脱毛症。以前にも円形脱毛症になったことがあり、またかと治療を始めたものの、回復しないことから別の皮膚科へ行ったのだそうですが、やはり円形脱毛症との診断。

一向に回復傾向が見られないため、都内の大学病院へいきますが 診断結果はやはり円形脱毛症で、ステロイド剤を注射する治療を開始しすることに。 しかし3か月でほとんどの毛を失ってしまったそうです。

人前に出ることもなくなり家に引きこもるようになったのですが、体調が優れず、かかりつけの内科医を訪ねたところ、たまたま知り合いの皮膚科を紹介しもらい診察してもらうことになりました。 そこでの診断が

金属アレルギーによる脱毛症。

なぜ金属アレルギーで髪の毛が抜けるのか?

医師によると身体に付けた金属から金属イオンが溶け出し金属イオンと毛根のケラチンという蛋白質が結合するとリンパ球などの免疫細胞が[ケラチン+金属イオン]を異物とみなし攻撃することによって毛母細胞がダメージを受けて脱毛がおこるそうです。

  1. 金属イオンが遊離
  2. ケラチンと結合(金属イオン+ケラチン)
  3. リンパ球が「金属イオン+ケラチン」を攻撃
  4. 毛母細胞がダメージを受ける
  5. 脱毛する

なぜ金属アレルギーになったのか?

考えられる金属は、

  • アクセサリー
  • 虫歯の治療

アレルギー検査でニッケルに対する金属アレルギーが陽性であることが判明し、

Mさんの場合、なんと30年前の小学生の時に虫歯治療で歯に詰めた金属(ニッケル)が原因であることがわかりました。 長い年月をかけて、その詰め物の金属が少しずつ溶け続けて、金属イオンが 体内に運ばれ続け、アレルギーが引き起こされたのだそうです。

歯科医から歯の詰め物を除去してもらったところ、すぐに髪の毛が生え始め1年ほどでほぼ元通りになったそうです。

他人事じゃない「金属アレルギー」。あなたは大丈夫?

口を開けて鏡で自分の歯を見てみましょう。 銀色や金色の詰め物やかぶせ物はありますか?

あるなら注意が必要。

詰め物やかぶせ物だけではなく、ブリッジや部分入れ歯用のバネ、ブリッジ なども含まれます。歯科治療に使われる金属はたくさんの種類があります。 その中でもニッケル・コバルト・パラジウム・クロム・アマルガムなどが アレルギーを起こしやすいと言われています。

それらにとって金属アレルギーが引き起こされると、髪の脱毛以外にも 口内炎・歯肉炎・口唇炎・舌炎、歯肉の黒い着色、味覚異常などの 口の中の異常に加え、全身の皮膚炎や頭痛、肩こりなどが発症する可能性があります。

気になるなら歯科用金属のパッチテストを。

パッチテストの結果、問題がある場合は原因となる金属を除去し、 金属を使用していないセラミックス(陶器)などに交換する治療を行います。「私は大丈夫」と安心していても、金属アレルギーは花粉症のように 突然現れることがあるので注意が必要です。

複数の金属が口の中に存在すると、金属アレルギーが起きやすいと 言われています。 でも今現在、自分の口の中の金属が何の金属なのか、把握している人は 少ないと思います。お気軽にご相談ください。

※当院では口腔内にある金属が原因のアレルギーの場合に、原因となっている金属の除去を致します。
金属アレルギーの治療は行っておりませんのでご注意ください。

体調不良は銀歯が原因かも?

奥歯のむし歯の治療で、銀歯が入っている方は多いと思います。銀歯とは、歯科用の金・銀・パラジウムの合金で作られている被せ物です。国保制度ができた際に、安価で加工しやすい材料として銀歯が開発されました。
銀歯を使っているのは日本のみです。この銀歯が原因で、脱毛症、アトピー性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、エリテマトーデス、シェーグレン症候群、血管浮腫といった症状の他、以下のようなアレルギー反応が出ることがあります。

①口腔内の異常

口内炎・舌炎、口腔粘膜の発赤、乾燥、舌の亀裂を引き起こします。

②味覚障害

金歯、銀歯、コバルトクロムといった種類の違う金属同士を口腔内に入れると、微細な電流が流れて味覚障害になることがあります。

③掌蹠膿疱症

手のひらや足の裏にプツプツとした水泡やかさぶたのようなものができます。

歯科金属アレルギーの検査

歯科金属アレルギーの検査方法は以下の通りです。

①パッチテスト

アレルギーの疑いがある試薬を肌につけた時の反応でアレルギーの有無を判断します。皮膚科で行う場合が多く、一般的な方法です。
※パッチテストに関しては皮膚科や内科でお受けください。当院では行っておりません。

②口腔内検査

視診やレントゲンで口腔内や歯の状態、金属の有無をみます。

③歯科金属検査

詰め物や被せ物が変色している場合に、金属の漏出度の測定や帯電試験をして判断します。

④毛髪検査

頭髪に蓄積されている有害金属を検査します。

⑤唾液検査

唾液の分泌量やpHを測定してアレルギーの有無をみます。

歯科金属アレルギーの治療

金属の装飾品や歯科金属を除去する方法が一般的です。除去したことで徐々に改善する場合もありますが、体内に蓄積した金属イオンはその後も残っているため、人によっては完治しないこともあります。

また、アレルギー検査の結果で陽性となった金属が口腔内にあるからといって、アレルギー症状の原因であるとは限りません。詳しい検査を受けて、今後の治療について歯科医師と相談していくことが必要です。