正しい歯ブラシの方法
ブラッシング方法にはさまざまな種類があります。
理想的なのは、プラーク除去率が高く、歯肉に対して悪影響のない方法ですが、これらは相反する要素であるため、一人ひとりに適した方法を取得することが大切です。
ここでは、代表的なブラッシング方法であるスクラッビング法について説明します。
スクラッビング法
スクラッビング法とは、スクラブ=ブラシでゴシゴシ擦る方法です。この方法は操作が簡単で清掃効果が高く、歯肉への副作用(退縮)が少ないので、普及率が高いとされています。
唇頬側(歯の外側)や嚙み合わせる面では歯ブラシの毛先を直角に当て、前後に数㎜程度歯ブラシを振動させながらゴシゴシと磨きます。蓋側(歯の内側)は歯軸に対して45度に当てて磨きます。毛先は歯肉スレスレまで近づけて、しっかりと歯間にブラシを入れます。大きなストロークで横みがきをしないように注意しましょう。
今使っている歯ブラシは、いつから使用していますか?(歯ブラシの寿命)
1.5ヶ月から長くても2ヶ月に一度は歯ブラシを交換しましょう。
理想的な使い方(力は入れすぎず、約100gぐらいで小刻みに使用)で歯ブラシを使用すれば1.5ケ月~2か月使用できます。力を入れ過ぎたり、大きく磨くと1-2週間でも、だめになってしまうこともあります。歯ブラシのブラシの部分を後ろからみてブラシがはみ出ている場合(ブラシが広がっている状態)新しい歯ブラシに交換しましょう。
古くなった歯ブラシは、プラーク除去効果と歯肉のマッサージ効果が落ちてしまいます
スクラッビング法に適した歯ブラシ
- 毛先や形がストレート (ギザギザだと適正な圧力が均等にかからないため)
- 小さめのブラシ(ご自身の歯の2~3つ分)
- 毛の硬さは普通 (汚れがひどい場合はハードタイプで力を入れないようにしながら磨くと短時間でプラーク除去ができる)
歯ブラシメーカーが販売しているものは、以上の条件があてはまるものになっています。ガム(#211)や、BEEの歯ブラシなど。
電動歯ブラシは歯ブラシ嫌いな方にはお勧めしますが、歯並びの問題や歯肉のコンディションを考えるとご自身の手でしっかり磨くのが望ましいです。
古くなった歯ブラシは、プラーク除去効果と歯肉のマッサージ効果が落ちてしまうため、歯ブラシは月に1度、最低でも3カ月に1度は交換しましょう。ブラシ部分を後ろから見た時、ブラシの毛がはみ出していたら(ブラシが広がっている状態)新しい歯ブラシに交換しましょう。磨く時に力を入れ過ぎると、1~2週間で交換しなければいけない状態になります。
歯間ブラシが必要な場合とは?
ブリッチを入れている方や歯周病の方は歯間ブラシを使いましょう。歯の間に歯間ブラシ入れて1~2回ブラシを前後させると、歯ブラシが届かない歯の間の奥の汚れ(ブリッチの間の汚れ)を取り除くだけでなく、歯肉をマッサージする効果もあります。
歯間ブラシにはサイズがあり、太すぎると歯肉を傷め、細すぎると清掃率やマッサージ効果が落ちてしまいますので、ご自身に合ったサイズを選びましょう。また、歯間ブラシを使うと出血するという方は歯周病が疑われますので、検診を受けてください。
歯みがきに関するQ&A
食後3分以内に磨けば、むし歯になりにくい?
「ウソ」
「食後3分以内に歯みがきをするとむし歯予防に効果がある」といわれているのは、ある実験で砂糖水を口に含むと約3分で歯が溶け始めるという結果が出たため、その前に歯垢を除去すればむし歯になりにくいだろうと考えられているためです。しかし、その場合は食事開始(口に食べ物を入れてから)から3分以内に歯みがきをしなくてはならないため、食後3分以内の歯みがきでは遅いということになります。
歯みがき粉の研磨剤で歯が削れる?
「ウソ」
歯みがき粉の研磨剤には強い研磨作用はないので、心配はいりません。また、歯みがき粉を使わなくても歯ブラシのみで汚れを落とすことはできますが、フッ素入りの歯みがき粉はむし歯予防になるのでおすすめです。
歯ブラシの毛先が開いたら交換しなきゃダメ?
「ホント」
歯ブラシの毛先が開いてくると、歯と歯の間に毛先を差し込みにくくなり、磨き残しが出やすくなります。歯ブラシは1.5ケ月~2か月程度で交換しましょう。
歯みがきは1日3回しないと効果がない?
「ウソ」
むし歯予防のためには、歯みがきの回数よりも1回の歯みがきでしっかり磨き、常に細菌を少なくすることが大切です。歯みがきの回数が多くても、間食を頻繫にするなど食べる回数が多ければむし歯のリスクが高まります。
デンタルフロスでは歯周病は予防できない?
「ホント」
デンタルフロスは、歯と歯の間を掃除してむし歯予防のために使うものなので、歯周病の予防にはあまり効果がありません。むし歯予防にはデンタルフロス、歯周病予防には歯間ブラシが効果的です。