薬で治す歯周病
歯周内科の治療では、内服薬と専用の歯みがきの薬で歯周病菌の除菌・減菌を行います。歯周病が原因の痛みや出血、口臭を短期間で劇的に改善でき、これまでの歯周病治療以上の効果が見込めます。口臭でお悩みの方や、短期間で歯周病を治療したい方におすすめです。
歯周内科の治療で使用するお薬
①抗生物質
スピロヘーター(歯周病菌)、歯肉アメーバ(原虫) 、口腔トリコモナス(原虫)
に効果があります。1日1回2錠を24時間ごとに3日間連続服用することで歯周病菌や原虫が減少し、口腔内環境の改善が期待できます。その後、基本的な歯周病治療を行うことで、更なる改善効果を得ることができます。
②ペリオバスター
口腔内の除菌後は、ペリオバスターでカビ菌(真菌)の除菌をします。ペリオバスターは強力な殺菌作用を持つ液体歯みがき材で、薬局などでは販売されていません。ヒノキやアロエなどの人体に安全な天然成分のみでできているため、アレルギーなどの影響がありません。
日本人の80%が歯周病です
歯周病とは、歯周病菌に感染して引き起こされる病気の総称です。歯肉(歯ぐき)が腫れる、出血するといった症状が出ますが、初期段階では自覚症状がなく、悪化すると歯が抜けてしまうこともあります。
現在、日本の成人の約8割が歯肉炎や歯周炎といった歯周病にかかっているといわれています。さらに、歯周病は日本人が歯を失う最も大きな原因にもなっています。
歯周病が与える全身への悪影響
歯周病にかかると、歯が抜け落ちてしまうだけでなく、全身の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があります。歯周病は以下のような病気を引き起こし、さまざまな疾患と相互関係にあると報告されています。
心臓病、脳梗塞
歯周病菌が血管に侵入することで、心筋梗塞や狭心症などの心疾患を引き起こし、動脈硬化や脳梗塞などを引き起こす血栓ができる原因になります。また、突然死のリスクを高めるともいわれています。
誤嚥性肺炎
唾液に含まれる歯周病菌が気管から肺に入ることで、誤嚥性肺炎を引き起こします。加齢によって食べ物などを飲み込む嚥下機能が低下している高齢者に多い症状です。
糖尿病
歯周病と糖尿病は、それぞれの症状悪化を誘発するという相互関係があります。歯周病になると血糖コントロールがうまくいかなくなり、糖尿病になると歯周病の症状が悪化するという状況が起こります。
早産
歯周病菌は子宮の筋肉にも影響するため、妊娠中の女性が歯周病になると早産や低体重児出産の危険性が高まるといわれています。妊娠中はつわりやホルモンバランスの変化で口内環境が変わりやすく、普段よりも歯周病になりやすいため、注意が必要です。
骨粗しょう症
骨粗しょう症によって全身の骨量が減少すると、歯槽骨などの歯を支えている歯周組織の破壊が進み、歯周病を悪化させるといわれています。
口臭の要因は歯周病にある?
むし歯や歯周病が、口臭を引き起こす場合があります。口臭があるだけでなく、歯ぐきが赤くなっている、腫れているといった症状が見られる場合は、すみやかに治療することをおすすめします。
口臭予防のためには、力まかせにゴシゴシと磨くのではなく、歯ぐきをやさしくマッサージするような歯みがきが効果的です。仕上げに殺菌剤入りのデンタルリンスを使うことも口臭予防の対策になります。